【自閉スペクトラム症の人の就労を支える】を企画した経緯について
中長期施策検討委員・宍倉 孝
就労は、単に経済的な自立のためだけでなく、社会参加や生活の質を向上させる面からも非常に重要です。知的水準に関わらず、レギュラーな就労の場があることにより、ASDの方の生活の質が向上します。周囲にいるASDの方を見ていると、次の様に実感できます。業務上の共通言語、共通文化を背景とした報連相や質疑応答などから、①徐々に余暇や日々の生活レベルの事柄、対人関係の悩みなどの相談が出来るようになる、②本人が納得する業務評価により自己肯定感を蓄積することで、積極性が向上する、③情報交換の際の共通の様式、言語の意味、会話でのタイミングの取り方、感情のコントロールなどが向上していくなどです。③は言わば、コミュニケーションのフォーマットの形成です。こうしたことが自己理解や自己の存在感・肯定感の獲得につながると考えています。多様な生活上の事柄(生活上の困りごと、体調や精神的な悩みなど)よりも、業務内容・目標、技術基盤や背景にある文化が確立している仕事の場の方が、コミュニケーション・フォーマットの構築の可能性が高まると思います。そこで、今回は、就労とその定着を支える日々の実践について紹介頂き、また異なる立場から協議できればと思い、前述の講師のご登壇を依頼しました。
川口先生・若葉台特別支援校(わかば学園)は職能技能の指導に加え、特徴的な指導として、全校をあげて「キャリアデザイン」を行っています。「ふり返り」と「相談力」の向上を重視し、このツールとして行われています。卒業生の就労率は95%超であり、かつ現時点までの定着率は100%という驚異的な成果が得られています。就労の準備段階における教育現場での取組みを今回の基調講演とさせて頂きました。
※諸事情により、(社福)横浜やまびこの里の柴田所長のご登壇は無くなりました。謹んでお詫び申し上げます。
なお、就労支援事業所の立場からは、NPO法人PDDサポートセンターグリーンフォレスト 就労継続支援B型事業所 ウイングネクストの岸川所長にご登壇していただくことになりました。
富士ソフト企画(以下、FSKと略)は親会社・富士ソフトの特例子会社です。神奈川県では数少ない好業績の特例子会社というだけでなく、全国的な啓蒙活動も展開しており、メディア等でも高く評価されています。障害種を限定せずに雇用し、「自立と貢献」、「生涯働ける会社」の二つを企業理念に掲げています。槻田課長代理(以下、槻田さん)は、ご自身が統合失調症の当事者でありながら、管理職としてもご活躍です。槻田さんにとっての労働の意義、定着への経緯、就労11年を経過した現在の状況や抱負について伺いたく思います。遠田部長は、現場経験から「就労は障害を軽減する」と力強く発信されています。上述の経営理念を基に障害者雇用を促進している点や障害の種別に関わらない雇用を特徴として、ピア・サポートによる従業員相互の相乗効果や達成感などを発信しています。現場での合理的配慮や適材適所の労務管理などでの工夫やご苦労などについて伺いたく思います。
どうぞ、それぞれの立場からのご講演、シンポジウムにご期待ください。
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たくさんの方のご参加をお待ちしております。皆様、お誘いあわせの上、奮ってご参加ください。
なお、既に入金がお済みの方で、講師変更に伴う返金をご希望の方につきましては、お手数ですが上記のメールアドレスよりご連絡ください。